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7. システムの設定におけるトレードオフ

前に示した公式は、このように変形できます:

        DCF = RR * HFL * VFL
つまりドットクロックは固定です。この一秒当たりのドット数は、リフレッシュ レート、水平解像度または垂直解像度に振り分けられます。 これらの数字のどれかを増やすと、別の数字を減らさなければなりません。

ただし、リフレッシュレートはモニタの最大垂直同期周波数を超えられないの で注意してください。したがって、あるモニタの、あるドットクロックでは、 フレーム長の積に最小値があり、それより小さくすることはできません。

自分の設定を選ぶ時には覚えておいてください。RR が低すぎると、画面のち らつきで顔をしかめるはめになります。

多分、リフレッシュレートを 60Hz 以下には下げたくないでしょう。これは 蛍光灯がちらつく速さですので、ちらつきに敏感な人は VESA 人間工学標準 である 72MHz に保つ必要があります。

人間の目には慣れがありますし、人間の目のちらつきに対する耐性には個人差 がありますが、ちらつきは大変目に辛いものです。 画面の 90% が見える角度でモニタに向き合い、暗い背景と良いコントラスト の色を前景に使っていて、しかも輝度を低から中に調整しているならば、 たぶん 45Hz 位に小さくても快適でしょう。

厳密なテストのやり方は次の通りです: xterm -bg white -fg black で真っ白な 背景に黒の前景の xterm を開いて、表示可能な領域全てを隠すぐらいの大きさに してください。そしてモニタの明かるさを最大の設定値の 3/4 に設定して、モニ タから顔をそむけて、モニタを横目で覗いてみてください(これは、より敏感な 視野周辺部の細胞を働かせるためです)。なんにもちらつきを感じない場合、もしく は許せる範囲ならば、あなたにとってそのリフレッシュレートは丁度良い値で す。もしそうでなかったら、リフレッシュレートをもっと高く設定してくださ い。なぜなら、一見大丈夫なように見えても、明らかには分からないようなち らつきによってひどく目が疲労し頭痛を起こすからです。

インタレースモードでは、ちらつきの量は現在の仮想解像度と実際の画面の 中身に依存します。したがって実験が必要になります。半フレームの周波数を 85Hz 程度よりは低くしたくないでしょう。

以上のようにして、ぎりぎり許容できるリフレッシュレートを選ぶことができ ました。HFL と VFL の選択においては、多少の作戦の余地があるでしょう。


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